ちはやふる展

chihayafuru.exhibit.jp

北九州市漫画ミュージアムで開催された「ちはやふる展」の最終日に滑り込みで行ってきた。規模は大きくないが、いい雰囲気の展示で、今回初公開となる物語終盤の表紙や、京都の時に展示されていた複製画の一部も観ることができ、原稿も小学生編から直近の内容まであって見ごたえがあった。デジタルに移行する前の手書きのネームもよかった。

しかし何より良かったのは、末次先生のインタビュー動画を観ることができたことだ。動画は2種類で、ちはやふる展のイメージボード作成時に真上から撮影したものを早送りした映像(音声なし)と、インタビューに答える先生の映像(肩から上はフレームアウト)だ。インタビューの内容は、イメージボードの製作意図と、「ちはやふる」に込めた想いと、読者への感謝の気持ち、だった。

長い間作品を愛してくれてありがとう。この応援があったからこそこんなにたくさんのことができた。幸せです。と読者へ伝える涙声に、末次先生のまじめな人柄と、いろんな背景を背負う先生の心情が伝わってきて、こちらまで泣いてしまった。

基本的に大満足の展示だったが、私が個人的に好きなのは、駒野と原田先生と猪熊さんと山城永世クイーンなので、アンケートには「山城さんの絵をもう少し見たかった」と書いたのだが、よく考えてみればこの書き方だとふつう理音のことと思われちゃうよね、しまったなあ(笑)。具体的には、名人戦第4試合の後で、読手を引退する山城さんへ想いを伝えようとする周防名人に対して、山城さんがほんの一瞬だけ、かつてのクイーンの矜持と闘気を漲らせるシーンがすごく好きで、あれを生で観たかったのです。

専任読手は「読み」に色がついてはいけない。
安定して同じ音はいつも同じ音でなければならない。
それが大事とわかっているけど。
札に、かるたに捧げた日々が乗ってしまう。